ママ犬エミー号は、2010年7月13日に6匹のかわいい子犬を生みました。ジュリ(純粋な心をもつ女性をイメージして、ジュリエットから繁殖ボランティアさんが命名)が約一年間我が家で過ごした記録です。

2011年9月5日月曜日

ありがとうがいっぱい

修了式では、預かっていた犬をお返しする訳ですから、約束通りで当たり前のことなのに、盲導犬協会の方々は私達パピーウォーカーの気持ちをとても大事にして下さいました。
「育てていただいてありがとうございました」
「こちらこそ、パピーウォーカーをする機会をいただいて、ありがとうございました」

家に帰って、家族にお礼を言いました。「パピーウォーカーをしたいというママの夢が叶えられたのは、家族の承諾と協力があったから。本当にありがとう。」と。
そしたら、子供達から「ママ、パピーウォーカーをしてくれてありがとう。」と言われました。

散歩のとき犬連れの方に、ジュリが盲導犬候補のパピーだと話すとほとんど「あら、可哀想」と言われました。ペットじゃないし、「ドッグランで遊びましょう」といった類の話しには入れないし、犬仲間とはちょっと違う。
私は、犬に可哀想なことをしてるんじゃない!とも言いたかったし、孤独に感じることもありました。だけど、理解を示してくださる方もいたし、ブログを通して、同じ立場の方と知り合って心強く、毎日カウンターの数字が増えると、それだけの方から応援してもらってるようで、私の支えでした。本当に、ありがとうございました。

それから、ジュリにも、ありがとう。会えてよかった。

昨日からありがとうがいっぱいで、私の頭の中を井上陽水&奥田民生が「ありがとう」を熱唱し続けています。

<修了式へジュリを送り出す家族の色々>

朝、ケージをたたんだり、書類を確認したりしながらバタバタと家を出発!した途端、ハンドルを握るお父さんが「うぅっ・・・」。もう、びっくり。口数少なめだな、とは思ってたけど、突然こうなるとは。泣きながら運転は危ないから、代わるよ〜と言ったけど、男の意地で運転してくれました(^^;)。

私は、自分がどう感じるかわからない、と思ってました。実際に、盲導犬協会でも理性が勝っていたし、しっかりとやるべき事はやったと思います。ジュリと離れたときは、娘と少し涙したけど、まだ分かってなかった。私って、想像力が乏しいんだと自覚したのは、家に帰ってから。
車を停めて、いつものように「ジュリをケージから出してね〜」とボケて子供達に言ったのに、誰も突っ込んでくれず、家に入ってから、お尻をふりふり出迎えてくれてたジュリがいなくて泣き崩れてしまいました。
リビングにも、キッチンにも、洗面所にも、いない。朝、ジュリが食べた後の食器だけが、洗わずにそのまま置いてありました。

そして、泣きながら掃除機をかけて、ジュリの毛を吸い取り、グッズを全て箱に片付け、予定通り、部屋を模様替えしました。

子供達は、
5年生の長女は、別れる時に少し泣き、ジュリの毛をTシャツにいっぱいこすりつけてました。
3年生の長男は、家に帰ってから、一人で隠れて泣いていたようです。
1年生の次男は、「帰ってくる」と信じているようです(^_-)。

ジュリの出発は、とても辛い体験でした。
昨年、愛犬を亡くしたときは、何をしてもただただ涙が出てきました。もう二度と会えない犬のことを話題にするのも怖かったし、私が結婚する前から飼っていた犬なので、家族にとっては「おかあさんの犬」で、気持ちを共有することも出来ませんでした。
でも、ジュリは死んだわけじゃないので、脱ぎ捨てた服がジュリに見えた、とか、ティッシュをゴミ箱に捨てても大丈夫、とか、靴下を落としてても心配ない、など、笑いながら家族と話しています。
ジュリには、これからがあります。どんな未来になるのか、幸せを願って見守り続けようと思います。

これからの我が家は、ジュリがいて我慢したリストの消化。
1.どんぐり村へ芋掘りに行く!(家畜がいる施設で犬は入場不可だったため)
2.カラオケにいく!(カラオケ店にも確認しましたが、ペットルームに小型犬は入室可です。大型犬もロビーを抱っこしてささっと部屋に入れば・・・とあれこれ考えてくれましたが遠慮しました)
3.海外旅行に行く!(実現できるのか!?)
などなど(^o^)。

<パピーウォーカーのススメ>
私は小学生のとき飼育委員をしていて、朝の始業のベルも聞こえずに作業を続けて、1時限目が終わった時に担任の先生がにこにこしながら呼びに来て下さったことがありました。ベテランの男の先生で怖かったけど、今思えば、とても良い先生だったんですね。
そんな子供で、卒業アルバムの将来の夢は「動物園の飼育係」でした。そして学生になり、夢は「獣医」に変わりました。
30年近く前に福岡に盲導犬協会ができた時、パピーウォーカーをしたいと両親に頼んだけれど、私は子供で飼育責任者にはなれないし、母は引き受けてくれませんでした。

そんな夢は何一つ実現せず、ただの専業主婦を送っていた私です。特別な技量があるわけでも、特技があるわけでもなく、普通に犬が好き、動物が好きなだけです。気持ちさえあれば、誰でもパピーウォーカーをやれると思います。
家具をかじられたり、服を破られたり、おしっこ臭くなったり、部屋が毛だらけになった事に怒りはありません。動物病院でお金を払うときは、正直ちょっと痛いけど(>_<)。それ以上のものを犬からもらいました。散歩をすることによってのダイエット効果は、年齢による老化と地球の重力に逆らうことは出来なかったものの、体調を崩すことなく過ごせたし、とても充実した1年でした。

言ってみれば、なんの儲けにもならないボランティアですが、「人のために何かをする」というのは、ひいては自分のためになっていると思います。何年にもわたってボランティアをされている方でさえ、おごったところは微塵もなく、盲導犬協会へいくたびに、心が洗われるような気持ちになってしまいます。

犬を飼ったことがない人でも心配いりません。犬の飼い方、躾け方のプロが常に見守ってくれていて、いつでも相談に乗ってくれます。うちの夫と子供も、犬初心者でしたが、犬を知り、大好きになりました。

こうしなくてはいけない、というルールは少しだけで難しいことはありません。私はもっと散歩に行った方がいいんだろう、と気になりながらも、子供の学校や家事が忙しいと犬を犠牲にすることも多かったと思います。
ちょっとでも興味があったら、ぜひ盲導犬協会へ話しを聞きに行ってみてくださいm(_ _)m。

13 件のコメント:

  1. はじめまして。PWのことを調べていて最近こちらのブログにたどり着きました。

    そしたら、突然クライマックスのお別れなんて・・・
    涙、涙で読ませていただきました。
    私も何頭か犬とのお別れ(死)を経験してます。
    ジュリには明るい未来があることが、唯一大きな違いですけど、
    ジュリママの寂しさはすごくわかります。でも、かわいいジュリとの思い出は宝物ですね。
    思い出は神様からのプレゼントだと聞いたことがあります。
    ジュリとジュリママの宝物もような思い出の記録、少しずつ読ませてくださいね。

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  2. DDさん
    来訪&コメントありがとうございますm(_ _)m。
    最後の胸の内を吐き出したところから読まれた、なんてお恥ずかしい(>_<)。
    DDさんは何頭かのわんちゃんを見送られたんですね。別れに慣れることはなくて、私が繰り返し思い出すのは愛犬の「天国へ旅立つ瞬間」です。
    思い出は神様からのプレゼント、ステキですね。プレゼントをたくさんの方と共有できるのが、P/Wの良いところかもしれません。ジュリの毛や臭いは家から消えていくけど、みんなの心からは消えないと思います。
    実はまだ、昨日のことを考えると涙が出ちゃうんですが、P/Wをして良かったと心から思っています。そして、これからも続けていきたいと決意しているところです(*^_^*)。
    またDDさんとお話できることを願っています。ありがとうございました。

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  3. 大役本当にお疲れ様でした。
    遠く離れた場所なのに
    私も近所に住んで居た気分です。
    本当に 本当に素敵なボランティアだと思います。
    将来的には、ジュリちゃんと一緒に歩行することになる方が主役なんでしょうが
    裏方、脇役(←たとえが変?)がどれだけ大変か そしてどれだけ重要なのか今までの経験上理解しているつもりです。
    寂しさは消えないかもしれませんが
    今はゆっくり一息ついてくださいね。
    私もジュリちゃんの今後を楽しみにしている一人です。 
    頑張れジュリちゃん、有難うジュリちゃんファミリぃー♥

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  4. ジュリママさんの夢が叶って幸せでしたね☆
    ジュリちゃんも含め、本当にステキな家族だなあと
    昨日、みんなを見ていて心が温かくなったよ~^^。

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  5. yumiさん
    ありがとうございました(*^_^*)。yumiさんは一番遠くから応援して下さいましたね。私も、yumiさんのステキな生活に魅了されてる一人です。
    これからもどしどしブログにアップして下さいね。楽しみにしています。
    ジュリのその後は連絡が届き次第、お知らせしていきま〜す♪

    つぼみさん
    恥ずかしながら、最後は胸の内をどば〜っと語ってしまいました(*^_^*)。ブログって一方的にしゃべりまくっちゃいますね。それでスッキリするところがあるから、精神上よいのかも(^_-)。
    昨日は、ジュリもいて、私は活動らしいことをできなくてごめんね。みんなから親切にしてもらって、本当に嬉しいです。帰る前にみんなに可愛がってもらってジュリも嬉しそうだったし、私も落ち込む暇もなくてよかったです。

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  6. ジュリのママさんそしてご家族の皆様
    本当にお疲れ様でした。
    このジュリの日記宝箱に詰まってる思い出は
    神様からのプレゼント、素敵!!

    ジュリのママさんがおっしゃるとおり
    ボランティアはGIVE&GIVE&GIVEそしてたまに
    TAKEがあれば感謝する
    でもそれだけではありませんよね
    人に与えることができる、お役に立つことが出来る
    そのこと自体がよろこびですし、
    元気と幸せをいただくことができますよね

    物言うことのない犬達と目と目を合わせ、体中で愛情と
    信頼を寄せてくれる愛おしい彼らから
    本当にたくさんの喜びと幸せをいただいています
    一人でも多くの方がこの幸せを共有してくださることを
    願っています。

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  7. sadakoさん
    思い出は神様からのプレゼント、ジュリも、ジュリを通して知り合えた方々もみんな神様からのプレゼントです。
    主婦、母親としてだけ生きていくよりも、P/Wをさせて頂くことで、私個人の世界がグ〜ンと広がりました。お仕事をされてるお母さんには分からないかもしれないけど、家の外でも自分の居場所があるというのは、取り柄のない主婦にとってはとても嬉しいことです。ジュリを育てあげたことは、私の喜びです。まだまだ疲れていませんよ(^_-)。

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  8. こんばんは

    1年間のPW生活、立派に全うされましたね!本当にお疲れ様でした!
    ジュリちゃん、ご家族の愛情をたっぷりと受けて人間大好きな素敵な成犬に育ちましたね♪
    ご家族の愛情に包まれて暮らした一年間は、今後ジュリちゃんが、どのような道を歩もうとも、幸せになるための大きな財産になると思います。

    お子さん達にとっても、様々な経験をジュリちゃんとともに重ねることができ、得たものはとっても大きかったに違いありません。

    ママさんにとっては、PWは30年来の夢だったんだ~
    それが実現して、無事に修了式を迎えられて最高の一年になりましたね!
    しばらくは気分を変えていろいろ充電してください!!!

    ではでは

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  9. hoyashiさん
    見守り、ありがとうございましたm(_ _)m。先輩P/Wの存在はとても心強かったです。そして、ようやくイール号を育て上げたhoyashiさんに一歩近づくことができた、かな?。ジュリもイールみたいになれたら最高なんですが・・・。

    このままだと、ジュリのことばかり考えてしまいそうなので、ぜひ2頭目にもチャレンジしてみたいと思っています。その節は、またよろしくお願いします(*^_^*)。

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  10. ジュリママさん、こんにちは。
    読みながら、私もワンビーの時を思い出して涙、涙です(−−;)
    大きな事故やケガなく、元気に巣立っていったんですね。
    お疲れ様でした。

    少しの間、自由な時間を満喫して下さい(^^)
    私の頭の中は、いきものがかりの「ありがとう」かな(^^)

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  11. まりさん
    無事にジュリ、送り出しました〜。1年は早かったです。
    最近、家事があっという間に片付いてしまうんです。はて?と思ったら、ジュリが来たのは末っ子が幼稚園に通っていた時期。まだまだ私一人の時間も短くてバタバタしてたんですね(*^_^*)。「一人が楽でいいわ〜」って思わない内に、次のパピーを申し込まないと!

    いきものがかりをyou tubeで聞いたら、ゲゲゲの女房の主題歌だった歌ですね!娘がよく口ずさんでました。今度、カラオケで歌おうと思います(^^)/。

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  12. ジュリのママさーん、羽を伸ばしてますかー?
    もう二頭目を申し込まれたのですか。
    さすが若いわー!!!

    お聞きしたいと思ってコメしました。
    ジュリたんは何分くらいのお散歩してましたか?
    うちの仔は1時間とかになると集中力も落ちてくるので、
    もう少し短い散歩でもいいのでしょうかー?
    お時間のある時に教えて下さい。

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  13. パピママさん
    コメントありがとうございますm(_ _)m。私が落ち込んでないか心配してコメしてくれたんですよねっ(^_-)。はい!相当ぼんやり過ごしておりますです。平日は部屋を片付けたりしてましたが、週末は辛かったです〜。昨日は、唐津までドライブして、途中にある盲導犬協会の建物に向かって、「ジュリ〜〜!!」と叫んできました(^^;)。何やってんだか・・・。

    ジュリの散歩は基本的に私しか行ってなかったので、その日の都合で20〜40分くらいでした。あとは、車に乗せて出かけたり、子供の迎えに行くのにその辺を歩いたりするくらい。ブログの写真でも分かるとおり、寝てることが多かったです・・・。
    ただ、散歩コースは同じにならないように、同じ道でも反対から歩いてみたり、ジュリに行く先をきめさせるのではなくて、私がこっち、あっちとしてました。
    これは私の勝手な考えですが、パピママさんが歩きたいならどんだけパピちゃんを付き合わせてもいいと思うし、疲れて行きたくないなら、「今日はゴメンね」でいいと思います。犬のために自分が無理をしなくて良いと私は思いますよ。イエローカードかしら(^^;)?

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